家庭でもおいしい干物が作れます
家庭でもおいしい干物が作れます
干物の旨味を逃がさない作り方とは?
干物は新鮮な魚で作るのが1番です。2番目に大切なものは魚をつける塩水の濃度。濃過ぎても、薄過ぎても旨味は逃げてしまいます。旨い干物作りのコツは新鮮さと塩水濃度にあるのです。
鮮度の良い魚選び
港に近い地域で作られている干物は美味しさも格別。それは、水揚げされたばかりの新鮮な魚を使っているためです。では、新鮮な魚を見分けるポイントについて、ご説明しましょう。
• 透き通った目・・・・・鮮度が落ちると白く濁ってくる。
• 張りのあるお腹・・・・内臓の腐敗が進むとお腹はへこむ。
• 艶のある魚体・・・・・魚体の表面が乾いているのは水揚げから時間が経過した証拠。
最適な塩水濃度で旨味を凝縮
魚をつける塩水濃度は約3.5%が最適とされています。実は、この3.5%は海水と同じ濃度。この濃度で魚の余分な水分を抜くと旨味成分であるアミノ酸が濃縮され、より美味しくなります。
ただし、ご家庭の塩加減にも好き嫌いがあるので、又、魚の種類にもよりますが3%とか7%とかなら、1時間ぐらいつけないと、塩味がつかないと思います。これは経験が必要ですね。やはり最初はあまり濃くない塩水で、それなりに長時間漬けた方が、失敗が少ないようです。
また、この塩分は天日干しでさらっと乾かすことで、干物の表面に膜をつくり、魚の身の水分を抜けにくくしてくれます。焼いた干物の身がふっくらと柔らかいのはそのためですね。
美味しい干物の作り方 (天日干し)
普段、食べている干物と言えばアジやサバです。
手に入りやすいアジを使って、天日干しの美味しい干物の作り方をご紹介しましょう。
材料
• アジ ・・・5~6匹
• 水 ・・・2リットル
• 塩 ・・・およそ70g(約3.5%の濃度)
※魚の大きさや脂ののりで、塩水濃度を調節してください。
作り方の手順
アジのエラに包丁をいれ、エラを切り取る。次に内臓を取り除いておく。
切り取ったエラの部分に包丁をいれ、お腹側から尻尾に向かって開いていきます。
開いたアジを水洗いして汚れをとる。水洗いしたアジは水分をふき取っておく。
分量の水と塩で塩水をつくります。
開いたアジを塩水に約20分ほどつけます。
20分後、塩水から取り出し、ザルに並べて水分を切る。※水洗いはしない。水分だけ取って下さい。
ザルごと天日干し用のネットに入れ、風通しの良い所に吊り下げ、天日干しします。
干す時間は季節によっても違いますが、夏場は2時間程。陽射しの強い場合は、直射日光を避けて日陰に干します。
乾燥は基本的に風力です。
天日干し以外での乾燥方法
暑い時期や、湿気の多い梅雨時期は、魚の傷みが早く注意が必要。この時期は、扇風機や冷蔵庫を使って、乾燥させる作り方がおすすめです。
- 冷蔵庫で乾燥
冷蔵庫で乾燥させる場合は、ザルに並べ、ラップをかけずに、一晩冷蔵庫内で寝かせて乾燥させます。乾燥後はラップをかけて、そのまま冷蔵保存ができるので、おすすめの乾燥方法。
- 扇風機で乾燥
ザルに並べたまま、扇風機で約2時間、風を当てて乾燥させます。虫や猫には注意しましょう。
干物の作り方のコツは魚の鮮度と塩水濃度。水揚げされたピチピチの魚を即、下処理して、天日干しできる環境こそが、美味しい干物作りに欠かせない条件と言えますね。